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徒然草気まま読み#53
『潮時を知る』
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今回扱うのは、第百二十六段。
短いので全文を紹介すると…
「博奕(ばくち)の負け極まりて、殘りなくうち入れむとせむに逢ひては、打つべからず。立ち歸り、続けて勝つべき時の至れると知るべし。その時を知るを、よき博奕といふなり」と、あるもの申しき。
「あるもの申しき」の「あるもの」とは誰かはわからないが、熟練のギャンブラーらしい。
負けが込んで、有り金はたいて最後の勝負に出ようとしている人を相手にしては、打ってはいけないという。その理由は?
単にギャンブルのことには留まらない、いつの時代にも通用する処世術が短い文章で語られる、これぞ徒然草の魅力。